どんぐりの世界に答えを出すブログ

世の中の全ての問題に答えを出すブログ。学校では答えを教えてくれない日常や実際、人生上の問題に「答え」を出していきます。あなたが疑問に思う問題も募集中。

差別と区別の違いを完全解説

問題編

 

問題:差別と区別の違いは?

「このアトラクション、身長制限があるの?僕乗れないんだけど。差別だ!」
「18歳未満の人に投票権はないの?僕は日本をよくしたいって思ってるのに。そんなの差別だ!」
女性専用車両はあるのになぜ男性専用車両はないの?差別だ!」
「日本って平等の国なんですよね?でもなんで女性トイレって女性しか入れないの?男も入れなきゃ、平等じゃないじゃん!」(そんな奴いないか)

 こんなとき、こういう返し方があります。
「それは差別じゃなくて区別なんだよ(ドヤ顔)」
「じゃあ、差別と区別の違いを説明してみてよ」
「…」

 あれ、差別と区別の違いってなんだっけ?どこからが差別で、どこまでが区別なんだっけ?改めて考えてみると、よくわからなくないですか?あなたは、ちゃんと説明できますか?


解答編

 

解答:差別と区別の違いは?

 では、正解を言いましょう。正解は…

差別:偏見や先入観などをもとに、特定の人々に対して不利益・不平等な扱いをすること。また、その扱い。

区別:あるものと他のものとの違いを認めて、それにより両者をはっきり分けること。

引用元:三省堂 大辞林 第三版

 っていう答えは冗談です。いや冗談というか、辞書に載っているから本当の答えではありますが(実は「差別」と「区別」が何かと聞かれたらこれが答えです)。

 でも皆さんは、こんな答えは聞き飽きたんじゃないですか?
 あるいは、「俺は女子トイレに入れなくて不利益をこうむってるぞ!これは特定の人々に対して不利益・不平等な扱い大辞林より)をしてるってことじゃないのか!差別だろ!」って思ったから、このページにたどり着いたんじゃないですか?(内容は例えばの話です)

 さて、そういう人のために、僕(どんぐり)なりの答えを出しましょう!

どんぐりの答え

※この答えでは、『差別』と『区別』は上の辞書の定義とは違うものとします。ここでは、『差別』と『区別』は同じようなものだと考えて、まとめて『差(区)別』と表記します。ただし、単に『差別』『区別』と書いたときは『差別』は「嫌なもの」、『区別』は「嫌ではないもの」とラフにとらえてください。決して本物の「差別」「区別」を指しているわけではないので注意してください。

 さて、僕の答えは、実は「区別」は全部(ほとんど)『差別』なんです。(もちろん本物の「差別」だと言っているわけではありません。)

 例えば、18歳未満に投票権がない例だと、政治にめちゃくちゃ関心がある18歳未満の人にとっては、投票権がもらえないのは嫌なこと=『差別』です。
 しかし、それでいいのです。なぜなら、子供が大勢政治に参加するようになったら政治がめちゃくちゃになる可能性があります。それを防ぐために、『差別』=『区別』をしているのです。

 『差(区)別』をすると、デメリットがあります(子供に選挙権を与えられない)。その一方でメリットもあります(安心して政治ができる)。そのデメリットとメリットを比べて、デメリットを飲み込んででも、メリットをした方がいいと判断されたから、その『差(区)別』はされているのです。

(逆に、「子供に政治に参加させることで子供の意見を取り入れられるというメリット」は、「政治が不安定になるというデメリット」に比べると小さいと判断されたから『差(区)別』されている、という風に考えることもできます。)

もっとわかりやすい例

 もっとわかりやすい例を一つ紹介しましょう。

 犯罪を犯した人は、刑務所に送られます。刑務所では、外に出ることもできず、毎日労働をさせられて、家族とは面会室を通してしか会うことができません。これはどんな人にとっても嫌なこと=『差別』です。
 しかし、そうさせることで、犯罪者を更生させたり、犯罪者を野放しにさせないでおけるというメリットがあります。

 メリット(犯罪者を更生できる)とデメリット(犯罪者を『差別』することになる)を比べて、デメリットを飲み込んででも、メリットの方が勝っていると判断されたからこそ、犯罪者を刑務所に送ることは認められているのです。

メリットがデメリットより勝っていると判断するのは誰なのか?

 では、メリットがデメリットより勝っているかどうかを、判断するのは誰でしょう?
 それは、日本ではほとんどの場合、「日本人」になります。

 例えば、先ほどの刑務所の例では、「日本人全員の総意」が、「犯罪者は刑務所に入れた方がいい。その結果、犯罪者の自由が奪われることになるけれど、それは仕方ないよね」と判断したから、犯罪者を牢屋に入れているのです。

 もし、「いやそんなことしなくていいよ」っていう人が増えたら、もしかしたら犯罪者は牢屋に入らなくていいのが普通になるかもしれません。

※ただし、道徳の決まり方はこれとは別問題です。

sekakota.hatenablog.com

 

まとめ

  • 「区別」は全部(ほとんど)『差別』(本物の「差別」と言っているわけではない)。
  • 『差別=区別』をしたときのデメリットとメリットを比べて、デメリットを飲み込んででも、メリットをした方がいいと判断されたとき、『差別=区別』はなされる。

 

関連記事

sekakota.hatenablog.com

 

今回使った解法

sekakota.hatenablog.com

sekakota.hatenablog.com

 実は、今回の話はもっと本質に近い答えを言うと、「皆が差別と判断すれば差別になり、皆が区別と判断すれば区別になる」が答えになります。そう言う結論になる過程は説明しませんが、次の記事を見ればなんとなくわかるのではないかなと思います。

sekakota.hatenablog.com

sekakota.hatenablog.com